バーをオープンする際に「キャストドリンク」をメニューに加えようと考える方がいます。しかしこのキャストドリンクの存在が、自身のバーの摘発理由になることをご存じでしょうか。

実はキャストドリンクは、バーが摘発される際の”証拠”として機能してしまうことがあります。開業前に知っておかなければ、せっかく立ち上げたお店が営業停止・摘発という最悪の結末を迎えることになりかねません。この記事では、バーをオープンしたい方に向けて、キャストドリンクの注意点と摘発される理由について解説します。

摘発される理由

結論から言えば、キャストドリンクの存在は接待行為が前提であり、通常のバーや深夜営業のバーでは接待行為が認められていないからです。

キャストドリンクとは、客がキャスト(接客スタッフ)に対して注文してあげる飲み物のことです。料金は客の伝票に追加され、ドリンク代金に応じてキャストにバックが支払われます。

楽しい接客に対する感謝の気持ちとして支払う場合もあれば、お気に入りのキャストに対する推し活的に支払う側面もあり、キャストはこの歩合給を得る為に「接待行為」を頑張ります。

風営許可を取得したキャバクラなどのお店はそもそも、キャストの存在が前提のお店であり、「接待行為」の認められた風営店舗であるため、特に問題はありません。しかし一方で、深夜営業バーなどでは「接待行為」は厳しく禁じられています。

深夜営業バー

接待行為は厳禁

キャストドリンクは違法接待の証拠

風俗営業(1号)店舗

接待行為の認められていないバーで同じことを行うのは、自ら「ルール違反の証拠」を残しているようなものです。注文を受けるたびに、本来あってはならない「接待行為」の実態を証明してしまい、違法営業の動かぬ証拠となってしまいます。

よくある失敗

深夜営業バーやキャバクラなどのお店をオープンする場合には、警察に対して「メニュー表」を提出する必要があります。このメニュー表の中に「キャストドリンク」が含まれているとどうなるでしょうか。

キャバクラの申請では問題ありませんが、深夜営業のバーとして申請をするのに「キャストドリンク 〇〇円」と記載があれば、警察としても「おや?」とならざるを得ません。接待禁止はバーの経営者としては知っていて当然のルールですが、それすら知らないとなれば、バー申請全体についても怪しく見られます。

他にも怪しく見られる箇所

  • 照明設備(スライダックス)
    明るさ調整が可能な照明は禁止されているが、嘘をついて申請していないか?
  • 店舗の構造・図面
    法律の要件を満たしているか?図面は正しく測量されたものか?
  • 営業実態(接待)
    深夜営業のバーとしながら、「接待」をするつもりではないか?

インスタ、XなどSNSに注意

現代の警察は、捜査にSNSを活用することが当たり前となっています。お店の名前をインスタグラムやXの公式アカウントなどで検索すれば、写真などの情報がいくらでも出てきます。そこにキャストドリンク付きのメニューが掲載されているとすればどうでしょうか。

他にも、来店した客が店内で撮影した写真や動画をアップし、そこに接待を行っている店員が写っているかもしれません。こういった情報から摘発の材料となることは、容易に想像がつきます。

接待にならないという勘違い

客の隣に座らないから大丈夫。警察が来ても、知り合いと飲んでいただけと言い訳すれば問題ない。と考える方もいますが、これも安易な考えと言わざるを得ません。接待の基準は「特定の客やグループに会話やサービスを行う」ことであり、客との距離は関係ありません。カウンター越しでも接待となりますし、隣に座っても座らなくても無関係です。

また、知り合いであると嘘をついた場合、一緒になって嘘をついた客もまた処罰の対象となってしまいます。そもそも、そのような言い訳が通じるなら、摘発されるお店は存在しません。

解決策

ここまで読んでいただければ、バーの経営における「接待」と「キャストドリンク」の問題が、いかに見落とされやすく、かつ取り返しのつかないリスクをはらんでいるかがおわかりいただけたかと思います。では、どうすれば安心してバーを開業できるのでしょうか。答えはシンプルで、「開業前に正しい許可申請を行い、営業形態を法律の枠内に収めること」です。

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