風営法許可が取得できない人
風営法の許可を取得するには、申請者に欠格事由がない事が求められます。
例えば破産者や過去に犯罪を犯した経験のある人は、復権や5年間経過等の条件をクリアしなければ、許可を申請することはできません。ではどのような人が欠格事由に当てはまるのでしょうか。
具体的には、次に該当する人は欠格事由となり、風営法許可の取得が出来ません。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 刑罰を受けてから一定期間を経過しない者
- 暴力団関係者、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)のような組織関係者や、違法行為を行う恐れがあると認める者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 心身を故障している者
- 風俗営業許可を取り消され、5年経過していない者 (聴聞期間中に返納したり、合併や分割により承継させた場合なども同様)
- 未成年者
- 法人の役員のうちこれらに該当する者がある場合
- 処分逃れをした者
- 自分より上位の会社や下位の会社、または同列の会社の中に欠格事由の者が存在する者
- 反社会的勢力が出資、融資、取引その他の関係を通じてその事業活動に支配的な影響力を有する者
令和7年11月28日 風営法改正
2025年11月の風営法改正により、欠格事由の対象範囲が拡大されました。下記の記事で詳しく解説しています。重要度の高い法改正のため、ぜひご覧ください。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
自己破産をすると、借金の返済義務が免除になるなどのメリットがありますが、引き換えにデメリットも存在します。 その中の一つに「資格制限」があります。
資格制限を受けると弁護士や司法書士、行政書士などの士業の他、宅地建物取引主任者等の仕事が出来なくなります。 また、役所に申請をして許認可を取得したい場合にも多くの制限がかかってしまいます。
風営許可もその例外ではありません。破産手続をした場合はその復権を得ない限り、風営法関連の許可を取得することが出来ません。
復権とは?
復権とは破産により課せられた制限を解除し、破産者を本来の地位に回復させることです。 これにより資格だけでなく、許認可の取得にかかる制限も解除されます。 主に下記の条件により復権となります。
- 免責許可の決定が確定したとき。
- 破産手続廃止の決定が確定したとき。
- 再生計画認可の決定が確定したとき。
- 破産者が、破産手続開始の決定後、10年を経過したとき。
- 裁判所に復権の申立をしたとき
刑罰を受けてから一定期間を経過しない者
一定以上の罪を犯し、懲役刑を受けたり罰金を支払った場合は、刑の執行が終わった日から5年間は欠格事由に該当してしまいます。
また、刑の執行を受けることがなくなった日とは、刑の時効が完成した日や大赦・特赦・刑の執行免除があった日の事を指します。 この場合も同様にその日から5年間は欠格事由の期間となってしまいます。
”過去にお店を経営していたが、違反を犯し、営業停止や罰金を支払った経緯がある場合”や、 ”何かしらのトラブルを起こした事がある場合”は要注意です。 自分は過去に犯罪歴があるが風営許可は取得できるのか?と、少しでも心当たりがある場合は、法令に照らし合わせて調査する必要があります。
(風営法4条1項2号)一年以上の拘禁刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して一年未満の拘禁刑若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
執行猶予中でも大丈夫?
執行猶予期間中は風営許可を取得する事が出来ません。 ※執行猶予期間中は「刑に処せられた者」に該当するため。
しかし、執行猶予期間を満了することで「刑の言い渡し」が無かったことになり(「刑の消滅」ともいう)、許可の取得制限が解除されます。 5年経過を待つ必要もありません。
これは、執行猶予期間中に新たな犯罪を犯すことなく無事に経過すれば、その刑の言い渡し自体が「なかったもの」となる為です。 「なかったもの」になるということは、そもそも「刑に処せられた者」という肩書自体が無くなる為、期間満了後に5年間待つ必要は無いという訳です。
(刑法第27条)刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
前科は消えない
前科が消えるという訳ではありません。前科とは裁判所から有罪の判決を受けた履歴の事をいう。つまり、前科は残るが、刑自体は消えるということです。
その他
風営法の許可を取得することで、法令上の様々な規制がかかるようになります。運営に関するルールや従業員に関する取扱いなど様々ですが、これらを遵守せずに違反をしてしまうと、風営法上の欠格事由となってしまいます。
例えば、警察への事前承認を得ずにした店舗構造の変更、18歳未満の者の立ち入り、在留資格のない外国人を就労させるなど、これらの違反で罰せられた場合にも欠格に該当してしまいます。
近年風営法は厳罰化傾向にあり、200万円以下だった罰金規定が3億円以下になるなど、その傾向は顕著です。欠格による5年間縛りのデメリットも考えれば、法令違反に対して一層の注意が求められるでしょう。
手続きにお困りの際は、お気軽にご相談ください
許認可の手続きは複雑なことが多く、ご自身で対応される場合は、法令学習にそれなりの時間を費やす必要があります。また、不許可の際には多額の費用が無駄になったりと、高いリスクを伴うこともあります。
ご自身での申請に不安がある場合や、お急ぎの場合は、どうぞ遠慮なく当事務所までご相談ください。あなたの悩みを解決し、そして確実にサポートいたします。




