1. 深夜酒類提供飲食店営業届出とは?

夜の街は活気にあふれ、深夜まで様々な飲食店が営業しています。しかし、これらのお店すべてが自由に営業できるわけではありません。特に深夜にお酒を提供する飲食店は、通常の飲食店営業許可とは別に、警察署への届出が必要になります。この記事では、飲食店の深夜営業のために必要な「深夜酒類提供飲食店営業届出」について解説します。

どのような場合に必要となるのか?

バーや居酒屋などの酒類提供飲食店が深夜営業をする場合に「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要となります。 深夜というのは0時以降(例外を除く)~朝6時までの時間帯をいいます。

この届出は、保健所ではなく『警察署』が管轄しています。そのため、飲食店営業許可(保健所管轄)と比較すると、手続の基準や取締りは厳しくなる傾向があります。 少しくらいなら・・・と、こっそり営業を行うと最悪の場合、違法摘発されてしまうため注意が必要です。

必要なお店の例

バー、居酒屋、その他お酒をメインに提供するお店

取得の仕方とタイミング

オープン予定日の10日前までに、店舗の所在地を管轄する警察署に書類を提出します。

大阪市の警察署管轄一覧(クリックで開閉)
大阪市の警察署管轄一覧(タップで開閉)

前提として『飲食店営業許可』を取得しておく必要があります。
飲食店営業許可についてはこちらの記事で解説しています。

2. 届出が不要な場合

深夜に営業し、お酒を提供するお店は全て深夜酒類提供飲食店の届出をしなければならないのでしょうか。 例えば、牛丼屋やラーメン屋なども、深夜まで営業してお酒を提供している場合があります。 これらのお店も深夜営業の届出をしなければならないのでしょうか?実はそうではありません。

通常主食とされるものを営業の常態として提供しているお店は不要

社会通念上『主食』と認められる食事を常態として提供するお店は、深夜酒類提供の届出は不要です。 例を挙げると、牛丼屋はアルコール類を提供していますが、酒類自体をメインとはしておらず、あくまで主食となる牛丼の提供がメインです。 また、客が飲食している時間の大部分を主食である牛丼を提供していますから、営業の常態として提供している事に関してもクリアしています。 したがって、牛丼屋のような飲食店は深夜酒類提供飲食店の届出は不要となります。

通常主食として認められているもの

米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たるとされています。

Q
お店のメニューに一部、主食となるもの(お茶漬けなど)が入っており、いつでも提供可能な状態にしておけば届出不要になりますか?
A

なりません。客が飲食しているほとんどの時間において主食を提供していなければなりません。例えば、お酒の提供がメインである居酒屋が、締めにお茶漬けなどを提供するような場合は認められません。

詳しく解説した記事はこちら

3. スナックを営業する場合のリスク

深夜酒類提供飲食店届出でスナックを営業する事は可能ですが、違法営業で摘発されるリスクが存在します。 届出をすることでスナックでも深夜営業が可能となりますが、この届出では『接待』ができません

『接待』とは客と会話したり談笑する事、カラオケを一緒に盛り上げたり手拍子したりする事、などが当てはまります。つまり、来店した客をおもてなしする事をいいます。

これらを合法に行う為には社交飲食店許可(風営法1号許可)が必要です。しかし、社交飲食店の許可を取得する事で接待行為は可能となりますが、深夜営業は禁止されてしまいます。

深夜酒類提供飲食店は『深夜営業』が可能だが、『接待』が出来ない。
社交飲食店許可は『接待』が可能だが、『深夜営業』が出来ない。
2つは両立できない為、スナック経営にはこれらのジレンマが存在します。したがって、深夜営業をしながらこっそり「接待」営業をするお店が少なからず存在し、違法摘発に繋がっているのが現状です。

スナックを適法に営業するには

スナックは客がスタッフとの会話や、一緒に盛り上がったりする事を目的に来る事が多いかと思います。接待をしなければ、客にとっては無愛想でサービスの悪いお店に映ってしまいますし、知らない内に従業員が接待をしてしまうかもしれません。以上の事から、スナック営業の際は社交飲食店許可を取得し、深夜0時で閉店するのが良いでしょう。

深夜酒類提供飲食店として適法に営業する場合

  • 会話・談笑なし・・・客と継続して会話、談笑する事なく、客の求めに応じて飲食物を提供する。
  • 盛り上げるような行為をしない・・・客のカラオケに手拍子したり、一緒に盛り上がる事はしない。
  • 従業員の教育・・・従業員が知らない内に接待しないよう、従業員教育を徹底する。

※どちらかというとスナックというよりはバーのような営業形態となります。

重くなった罰則

風営法は近年の改正(2025/6/28施行)により、罰則が厳しくなりました。罰金200万円以下だったものが、法人の場合3億円以下の罰金になるなど、かなりの厳罰化です。 これまで以上に違法営業のリスクが高くなっている為、適法な営業をする為の必要な知識を備えておくことが大事です。

4. 立地制限

大阪府における禁止地域

大阪府内では都市計画法で定められた一定の地域での深夜営業が禁止されています。繁華街を外れた住宅地では原則できないため、物件選定時に必ず用途地域を調べましょう。 ※主要幹線道路沿いなどでは一部例外(指定地域の道路から約25m以内)があります。

許可エリア
禁止エリア

禁止地域の特例(例外

上記で列挙された禁止エリアのうち、第一種住居地域、第二種住居地域、及び準住居地域については、公安委員会規則で定める地域に該当する場合はこの限りではありません(つまり、深夜営業が許容される場合があります)この『公安委員会規則で定める地域』とは、大阪府条例第2条第1項第1号に掲げる地域(下表の道路側端から25m以内)内の第一種住居地域、第二種住居地域、及び準住居地域を指します。

大阪府条例第2条第1項第1号

別表第1の左欄に掲げる道路の側端からおおむね25メートルの区域のうち、当該道路の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる地域

種類路線地域
一般国道1号枚方市、寝屋川市、守口市及び大阪市の区域
2号大阪市の区域
25号大阪市の区域
26号大阪市、堺市及び高石市の区域
43号大阪市の区域
163号大阪市、守口市、門真市及び寝屋川市の区域
170号(大阪外環状線に限る。)高槻市、枚方市、寝屋川市、四條畷市、大東市、東大阪市、八尾市、柏原市、藤井寺市、羽曳野市及び富田林市の区域
176号豊中市及び大阪市の区域
309号富田林市、堺市、松原市及び大阪市の区域
310号堺市、大阪狭山市及び河内長野市の区域
479号大阪市及び守口市の区域
府道京都守口線枚方市、寝屋川市及び守口市の区域
大阪高槻京都線大阪市の区域
大阪和泉泉南線大阪市、堺市、高石市、和泉市及び岸和田市の区域
大阪池田線大阪市及び豊中市の区域
大阪高石線大阪市の区域
茨木寝屋川線茨木市の区域
大阪臨海線大阪市、堺市、高石市及び泉大津市の区域
大阪中央環状線堺市、松原市、八尾市、東大阪市、大阪市、門真市、守口市、摂津市及び茨木市の区域
大阪生駒線大阪市、大東市及び四條畷市の区域
大阪八尾線大阪市の区域
住吉八尾線大阪市の区域(平野区喜連二丁目1番5地先から同区瓜破南二丁目1953番地までに限る。)
泉大津美原線堺市の区域(美原区菅生503番2から美原区平尾164番2までに限る。)
堺富田林線富田林市及び堺市の区域(富田林市本町487番8から堺市美原区平尾164番2までに限る。)
大阪市道大阪環状線大阪市の区域
中津太子橋線大阪市の区域
恵美須城東線大阪市の区域
阿倍野木津川線大阪市の区域
難波足代線大阪市の区域
浜口南港線大阪市の区域
松原市道三宅中55号線松原市の区域
都市計画道路豊里矢田線大阪市の区域
淀川北岸線大阪市の区域
別表第1 禁止地域の例外

5. 施設設備のポイント

面積・構造

客室部分の面積は9.5㎡以上(客室が1室しかない場合は除く)を確保し、客席間に見通しを遮るような高い間仕切りや施錠式の個室を設けることはできません。

カウンター席しかない客室が1室のみであるお店であれば関係ありませんが、客室が複数存在する場合は1室の広さを9.5㎡以上確保しなければならないということです。 例えば3m×3mの客室の場合は9.0㎡となり、要件を満たせないことになります。

また、見通しを遮る物体の存在によって、客室と区切られた個室とみなされることにより、不許可となってしまう場合もあるため注意が必要です。

照明・音響

客席の照度は20ルクスを超えておく必要があります。
また、大阪府では調光器(明るさ調節可能なスイッチ・スライダックス)の使用が禁止されています。

店内音量も大阪府条例の騒音基準以内に抑えなければなりません。なお、カラオケなどの音響装置の使用は午後11時~午前6時までは原則禁止である点も要注意です。

広告物

客席に公序良俗に反する写真や映像、装飾物を掲示してはいけません。

デジタルダーツを設置したい場合

デジタルダーツの取り扱いについては、平成30年に規制緩和があり、バーなどへの設置が容易になりました。 しかし、自由に設置して良いわけではありません。設置するためには条件を満たす必要があります。

詳しくは下記の記事で紹介しています

6. 図面作成

最大の難所

深夜酒類提供飲食店営業の届出で、最もつまずきやすいのが図面作成です。
自力で申請を進めようとしたものの、この工程の難しさに直面し、手続きを断念される方も多くいらっしゃいます。

他の図面は使用できない

この届出で求められる図面は、内装工事の際に業者が作成したものや、飲食店営業許可で保健所に提出した図面とは仕様が異なり、使い回しができません。

というのも、飲食店営業許可は保健所が所管するのに対し、深夜酒類営業の届出は警察署が管轄です。
提出先が異なるため、図面の記載項目や重視されるポイントも変わってきます。さらに、地域によって測量方法や図面の書き方に細かな違いがある点にも注意が必要です。

必要図面

  • 営業所の配置状況を記載した図面(座席、テーブル等)※平面図、配置図
  • 照明、音響、防音設備を記載した図面 ※音響設備図
  • 営業所、客室面積の求積図及び求積表 ※求積一覧
  • 営業所の存在するフロアの平面図 ※フロア図
図面作成手順のイメージ
図面作成イメージ

手続きにお困りの際は、お気軽にご相談ください

許認可の手続きは複雑なことが多く、ご自身で対応される場合は、法令学習にそれなりの時間を費やす必要があります。また、不許可の際には多額の費用が無駄になったりと、高いリスクを伴うこともあります。

ご自身での申請に不安がある場合や、お急ぎの場合は、どうぞ遠慮なく当事務所までご相談ください。あなたの悩みを解決し、そして確実にサポートいたします。

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丸投げOK!サクっと手続!
万が一不許可の場合は全額返金いたします

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